≒草間彌生〜わたし大好き〜

 天才は見飽きない。公式HPより)
 ドキュメンタリー映画≒(ニアイコール)シリーズ第5弾!ついに前衛芸術家・草間彌生が登場!!未だに止むこと無く世界の美術界を疾走する草間を、1年半もの間追い続けた渾身のドキュメンタリー映画がついに完成した。「生」と「死」と「愛」のせめぎ合いの中から湧きあがる草間芸術の真髄を、カメラは時には静かに、時には饒舌に記録し続ける。それだけに観る者を、有無をいわさず一瞬にして未知なる世界に引きずり込み、魂を激しく揺さぶる。

寒い中、頑張って観に行ってきて良かったです。
草間彌生、本当にすごい人でした。自分の作品を見ては「あら、いいわね〜。ほんと、素敵。」といちいち言ってみたり(本当に全部の作品に対して言ってた・笑)、自分の写真を見ては「あらきれいね〜、女優も顔負けね」と言ってみたり、自分の詩を読んでは「こんなにいい詩、読んだことないわ」と言ってみたり。映画のサブタイトル通りのわたし大好きっぷりは、いっそ面白かったです。本気で言ってるもんな、あれ。しかし、彼女の作品が真に自分の精神と向き合って、自己を吐き出した結果紡ぎ出されているのだということは、この映画を観るとよくわかります。人がいる場所で作品を描いているというのが意外でしたが、「一人だと妄想が止まらなくなっちゃうの」という言葉がいかにも。事務所をしっかりと構えてスタッフが揃った(しかも若い女性が多い)環境で仕事をしているのも意外でしたが、でもあれは、スタッフがいなかったら外界との交渉をやりとりしていくのは、大変でしょうね。なんせ個性が(笑)。しかし、どういう経緯で事務所を構えるまでになって、どういう人選をしたのか興味があるなぁ。草間彌生を心得た非常に優秀なスタッフさんたちという印象でした。
とまあ、とても良かったのですが、惜しむらくは、映画中のインタヴューがちょっと技術不足だったね。せっかくずっと張り付いていたのだから、もっといい質問をして草間の面白さをもっと引き出して欲しかった。最後に連作の50枚目を描き上げた草間に「晩年にこんな作品を完成させてすごいですね」と言ったときにはびっくりしたよ。晩年て!まだ生きてる本人に向かって!!確かに70過ぎてるみたいだけど!!?怒らせるんじゃないかと思って、どきどきしちゃったよ。本人は「私、晩年?・・・晩年よ。」と言ってニヤリとされてましたが。
何はともあれ、とても面白いドキュメンタリでした。天才は見飽きない。まさしく。